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八重瀬の家

 分譲宅地として造成されたエリアの中から選ばれた眺めの良い場所。台形の敷地形状に対し、奥に伸びる長方形のボリュームと、直行する勾配屋根のボリュームがT字に組まれた建築となっている。2つのボリュームはそれぞれのサイズを周囲よりもコンパクトに、かつ道路からセットバックされた配置とすることで、調整されたプロポーションと斜めに切り取られた空を周辺に提供する。

 シンプルな外観ではあるが、内部は1階と2階にリビングを作り、それらが吹き抜けを介してつながるダイナミックな空間を有している。吹抜けに設けられた大きな開口は場所ごとに異なる景色を見せ、日々の時間の流れの中で一人ひとりに外部との関係を浮かび上がらせる。

​ 空間の仕上げに、和室の襖紙には地元の漆工房で染めてもらった和紙を使用した。新しい住宅地に建つ新しい建築ではあるが、伝統と自然素材の組み合わせによる漆和紙の力を借りて、確かな手触り感とともに温かく優しい暮らしが続いていって欲しいという願いを込めている。

沖縄県八重瀬町

用途:専用住宅

竣工:2021年12月

構造:壁式鉄筋コンクリート造

階数:地上2階

敷地面積:165.41㎡

建築面積:  73.22㎡

延べ面積:120.89

atelier tricycleとの共同プロジェクト

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