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 全11棟1616戸からなる大規模マンションの一室改修。築30年が経ち、大きく成長した樹々が当たり前となった環境に改めて目を向け、既存の躯体壁や天井に新たな意味を持たせたシンプルな対比による空間である。

 機能面においても、改修前には無かった断熱材を入れ、二重床にして遮音性能を確保し、床暖房を導入。収納とともに納まりを決める。

 各部の納まりは、壁と建具の位置を合わせて天井まで通したり、また引戸とすることで、開けていても自然な状態を保ち、空間の連続性を生み出している。

 休みの日にはゆっくりコーヒーを淹れて安らぎの時間を愉しみつつも、思わず少し背中を伸ばしたくなるような、そんな新しい日常に無理なく接続するように、言葉にすれば何気ないことを一つ一つ丁寧に積み上げてやさしさと陰影のある空間が生まれた。

​埼玉県和光市

用途:共同住宅(リノベーション)

新築年:1983年

竣工:2012年9月

構造:鉄骨鉄筋コンクリート造

階数:地上3階

床面積:74.61㎡

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